ルポライター川田の教える葬儀記事まとめ

葬儀における供花の地域性と変遷

2017年09月14日

葬儀、告別式の会場には、たくさんの親類、縁者の方から供された花が飾られ、故人への哀悼の意が表されています。この供花は、地域にも寄りますが、現在では殆どが生花となっており、出棺前に親族が摘み取ってお棺に入れたり、出棺後に参列者の方がそれぞれ持ち帰ったりしています。

しかし、今から30年ほど前は、造花をメインとした「花輪」でした。金色や紫色、緑色の紙で作った丸い扇状のものを、ひまわりの花びらのように配し、その中央部をたくさんの造花で埋め尽くし、白黒のビニルテープを縞模様に巻いた竹でフレームを組み、その上に載せた物でした。

その下に送り主の名前を書いて貼り付けてありました。その頃は葬祭場ではなく、自宅での式が多かったため、故人のお家はもちろん、ご近所のお家の壁や、門から玄関に到るまでの通路に、たくさん立てかけてありました。

その花輪は、一つの式が終ると、数日後に撤去し、その紙を剥がして次の葬儀へと使いまわしており、見た目にかなり消耗したものもありました。いつの日からか、全国的に生花がメインとなり、花輪に比べてコンパクトになったことから、自宅での葬儀であっても、室内に入れて、祭壇の両脇を飾るようになりました。

但し、このような供花を行う際に、宗派が同じでも、地方によって風習が異なるため、注意が必要です。地方によっては、多数のタオルをクルクル巻いて、それを花輪のように仕立てる地域もあります。故人を偲んで供花をする際には、斎場出入りの生花店に相談するのが良いでしょう。

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