日本ではおよそ90%が仏式で葬儀が行われています。現在でも昔からの風習が全国に残っているので、同じ仏式でも地域によってスタイルが残っています。例えば、東京・埼玉・千葉・神奈川の一都3県でも残っています。お通夜や告別式などでも地域で違いが出てきます。
葬儀はお通夜と告別式を2日間で行います。お通夜では家族や親族などが夜を通して故人に付き添う「夜とぎ」があります。自宅を会場にすることが少なくなった現在では夜とぎも少なくなりました。高齢者は体の負担がかかりやすく、宿泊できない会場も多いからです。
一方で千葉県の一部地域では夜とぎを行なわれています。食べ物を持ち寄る「夜伽見舞い」と呼ばれる風習が今も残っています。通夜の翌日では告別式が行われます。埼玉県の一部地域では、男性の参列者に三角の白い布が配られます。
また、出棺の際に「茶碗割り」という故人が愛用していた茶碗を割る風習がある地域もあります。茶碗割りは西日本に多い風習です。葬儀・告別式が行われたら火葬の段階に入ります。関東の一部ではこれらの前に「前火葬」を行う地域もあります。
主に埼玉県や神奈川県の地域では「前火葬」は一般的な儀式です。このことを知らない方が参列すると、故人の最後の顔を見られないことにもなりかねません。念のため、地域の風習はチェックしておいたほうがいいかもしれません。