最近は結婚式も葬式も、その人らしさを追求した新しいスタイルが人気を集めています。その中でも、葬儀の最中に故人にとって特別なエピソードのある音楽や、その人が生前好きだった楽曲を演奏するタイプのお葬式を、音楽葬と呼びます。
形式にとらわれない自由葬の一種で、無宗教である点も特徴です。宗教上の制約がないので、どんな人でも参列することが可能です。音楽葬の最中に流れる音楽は、普通の規模の場合はピアニストによる生の演奏やあらかじめ用意したCDが用いられることが多いですが、かなり規模の大きなケースだと、合唱団を派遣してもらうこともあります。
音楽葬はその場にいた参列者も遺族も、葬儀場で流れていた楽曲を通して故人を強く心に記憶することになるので、これから生活していくうえでコンサートに行ったり、テレビから流れる特定の曲に触れることで、亡くなった人を身近に感じることができます。そのため、その人が亡くなった後も大事な人々の心の中で生き続けることができるというメリットがありますが、まだまだ選択されることが少ないスタイルなので、このスタイルのお葬式をする場合は、周囲の人に理解してもらう必要があります。本人が希望している場合は、念のために遺言などを残しておくと安心です。